骨盤のゆがみ
最近、「骨盤の歪(ゆが)み」と言う表現を多くみますが、誤解を招きやすく、また用語として正確さに欠いています。
骨には必ず筋肉が付いています。その筋肉の緊張度合いにアンバランスがあると、外見上「ゆがんでいる」ように見える場合があります。骨盤に限らず、骨格構造は人それぞれ違い、左右でも必ず違いが出ます。
また、外見上、ゆがんでいるように見えるからといって、必ずしも異常であるとは限りません。
仮に、異常な(?)ゆがみがあったとしても、許容範囲内での機能的な相違に過ぎず、症状や病気の原因になっていないことも多くあります。
骨格のバランスをとっているのは筋肉であり、その筋肉をコントロールしているのは神経系です。
神経系の機能異常が生じていると、筋肉のアンバランスが生じ、骨盤周囲が「ゆがんで見える」場合もあります。(もちろん、そうでない場合もあります。)
そこで、そんな「ゆがみ」に対して、「骨盤」に直接 治療を加え、バランスを戻すようなこともします。それが一般的に理解されている、「骨盤調整」だと思います。
そこで言われる「骨盤調整」は、数ある治療法のひとつであり、手段にしか過ぎません。
あくまで、神経系の機能異常を正常にすることが、治療の目的であり、大事なことなのです。
見た目の「ゆがみ」が取れたからと言って、神経系の機能異常が取れたとは限りませんので、ご注意ください。
なお、神経系の機能異常の有無を鑑別・判断するのことは、われわれ治療家の役目なので、安心しておまかせください。