ばね指
指の内側(手のひら側)には、屈筋腱があります。 屈筋腱は、指を曲げる際に必要です。
さらに、その腱はよりスムーズに曲げ伸ばしができるように、腱鞘というトンネルの間を通っています。通常なら、その腱はトンネルの中を滑らかに通るのですが、過剰に使いすぎることで、腱と腱鞘との間で摩擦を生じて炎症を引き起こしてしまいます。
その結果、腱鞘のトンネルが狭くなって、曲げ伸ばし時に腱が引っかかってしまうのです。
指の中でも、特に親指になりやすく、指を曲げた時に伸ばそうと思っても伸びなかったり、無理に伸ばすと痛みが生じます。
また、指を曲げたり伸ばしたりしようとすると、急にバネのようにクリッと弾けるような動きをします。
症状が軽い場合(初期など)は、あまり痛みを感じる事はないのですが、指を動かす時に少し違和感があり、関節付近が硬くなったような感じがあります。
実は、この時から腱鞘炎の道は始まっています。
「ばね指」の症状が軽い時に、指を休めたり体全体を休めたりして、腱鞘炎を予防する事が大事になります。
そのまま使いすぎると症状が重くなり、突然激痛が走ったり、指に力が入らなくなってきたり、曲げることすら出来なくなる事もあります。
一番良いのは、手や手首を使わず安静にさせることですが、実際には、使わないでいることはほとんど不可能です。
ではどうすればいいのか?
まずは普段、使う前にすることとして、
スポーツ選手が競技を始める前に、準備運動やストレッチするように手首を回したりして温めて、滑らかな動きができるようにします。
車でも、少しエンジンを温めてから動かした方が負担を減らし、滑らかな走りができるのと同じです。
そして、仕事などで手をよく使った後は、患部をアイシングします。
筋肉は使うと熱を発生します。使いすぎるというのは、いわばオーバーヒートの状態なので、その部分を冷やしてあげるのです。
他に気をつけることとして、日常から、ゆっくり手首を回してあげたり、体全体をストレッチしたりしてあげたりと、こまめにケアしていくことが、手や腕の疲労回復に有効になります。
もちろん、適切な治療を施すことが、最良策なのは言うまでもありません。